栗東民報

「2015年度栗東市予算編成にあたっての要求書」   および市からの「回答」


                       2014年1月20日
栗東市長 野村昌弘 様
教育長  森本 明 様

                    日本共産党栗東市委員会
                        委員長 國松清太郎
                    日本共産党栗東市会議員団 
                             伊吹みちえ
                             大西時子
                             太田浩美

 2015年度 栗東市予算編成にあたっての要求書

平素は市民福祉の向上と安心安全のまちづくりにご尽力いただきありがとうございます。
4月から消費税率が8%に引き上げられたことで、市民の暮らしは厳しさが増しています。所得が増える気配がない中、生活必需品の物価は上がり続けており、景気回復は感じられず、生活不安が増すばかりです。
安倍内閣は、2015年度予算で大企業には法人税を減税、大型開発の公共事業には重点的に予算を配分し、軍事費は3年連続増加で過去最高額の4兆9801億円に増大させました。ところが、介護保険の利用料引き上げ・後期高齢者医療の窓口負担増・年金の削減・生活保護費の削減など、福祉分野は削減と負担増を国民に押し付ける中身となっています。消費税を8%に引き上げてから2年目の予算で、こうした社会保障の大幅削減は、消費税の増税が社会保障のために使われていないことは明らかです。原発推進予算を温存するいっぽうで、雇用対策や中小企業、農業・教育予算などはまったく不十分な内容となっています。
 「大企業を儲けさせれば、国民も潤う」として、安倍首相は法人税を減税しようとしていますが、大企業の内部留保をさらに増やすだけで、労働者の賃上げにつながる保証も、景気回復につながる見込みもありません。
エネルギー政策における原発再稼働問題、沖縄における辺野古埋め立てと米軍基地の新設問題、TPP交渉問題、集団的自衛権の行使などのさまざまな分野において、安倍内閣は国民との対立を深めています。

市政運営では、H20年度から実施されてきた『財プロ』『新・集中改革プラン』による財政健全化の取り組みが、いよいよH27年3末で終了します。H20〜25年度の6年間における市民への負担増は42億1700万円にものぼります。市民から「福祉のまちと呼ばれた栗東市が、いまや借金のまち栗東だ」「住みよいまちナンバーワンだったが、ほんとうに住みにくくなった」などと言われてきました。しかし、「これからは、少しずつよくなっていってほしい」と、福祉の充実に期待がかかるところです。
この間の予算編成は、市民の暮らしには緊縮を強いながら、『後継プラン』やリチウムエナジージャパンへの誘致奨励金など、開発事業や企業への優遇措置には、毎年多額の予算がつぎ込まれてきました。たばこ業者への貸付金は、とっくに返済期日を過ぎたにもかかわらず、いまだに回収できていません。土地開発公社の保有地処分を市が肩代わりした『3セク債』も、過去の無謀な開発事業のツケと後始末です。こうした開発優先・企業優遇型の市政運営が、きびしい市の財政運営をさらに追い込む結果となっています。そういう状況のもと、H27年度予算編成方針によれば、市長のトップセールスによる企業誘致を積極的に行うとなっています。
地方自治体の本旨は福祉の増進です。本市の福祉水準は、県内でもかなり低いものになっています。開発優先・企業優遇型の市政運営をあらためれば、福祉水準を引き上げることは可能と考えます。国の予算編成で社会保障がますます削減されようとしていることから、市民の暮らしと密接な自治体であればこそ、市民の暮らし守ることを最優先にした予算編成を求めるものです。
2015年度の予算編成に対し、下記の事項を要求いたします。ご検討いただき、2015年2月20日までに文書でご回答いただきますようお願いいたします

*2月18日、市から回答がきました。

1、財政健全化のために

(1)企業誘致事業において、市は「地域雇用や経済効果が長年にわたって期待できる」としてリチウムエナジージャパンに多額の奨励金を交付されています。次年度以降は手原産業倉庫やイシダにも交付する予定になっています。しかし、全国の事例では、雇用要件などの約束が守られない上に、短期間で企業が撤退し、奨励金が返還されないケースが多数報告されています。奨励金は、こうしたリスクがあり、危機的な市の財政をさらに圧迫する要因でもあると考えます。また、リチウムエナジージャパンへの交付効果の検証もされていない状況のもとで、奨励金交付を継続することは問題があると考えます。「栗東市工場等誘致に関する条例」を廃止し、企業への奨励金をやめられたい。

答)企業誘致は、税収効果や雇用・経済効果が長期間にわたって期待できることから、市の発展に不可欠なものです。企業に対する奨励は、誘致を他市よりも有利に進める上でも、また、現在立地している企業の市外への移転を引き留める上でも必要な措置であり、奨励措置は継続いたします。

(2)たばこ業者への貸付金未回収問題で、鰍sSRの『認諾』から2年9か月が経過しています。市は「貸したものは返してもらう立場で、交渉を続ける」と言われていますが、鰍sSR・鰍bSRからの返済計画が示されていません。貸付金(9億円)が回収される目途がまったく見受けられません。回収に向けた協議はまったく進んでいないのではないか。今後の対応と回収方法を具体的に明らかにされたい。

答)鰍sSRについては、裁判で認諾後、返済計画を提出されましたが、不十分なことから、再度早期に提出するよう求めています。
 一昨年3月に返済期限が到来した鰍bSRについては、公正証書作成を相手方は同意しており、作成に向けての協議を続けるとともに、鰍sSR同様、返済計画の提出を求めております。


(3)市に移管された栗東市土地開発公社の保有地の処分・活用について、できる限りの債務圧縮と利率低減を図り、市民負担の軽減に努められたい。あわせて、市民参画で有効活用できる方策も検討し、市民サービスの向上に役立てられたい。

答)市へ引き受けた土地開発公社用地は、それぞれの事業目的により取得されてきたことから、個々に事業化の目途を見極めながら、事業化が見込めないと判断する土地は、民間売却を第一として取り組んでまいります。

2、医療・福祉の充実のために

(1)国民健康保険制度において、本市の医療給付費は県内で19市町の中で16番目と低いにもかかわらず、国保税は一番高い額になっています。国保税だけで所得の13〜18%を占め、低所得世帯が多数を占める国保加入者にとって暮らしを圧迫する大変重い負担となっています。一般会計からの繰り入れで、ただちに払える税額に引き下げられたい。

答)国民健康保険の医療給付は、保険税の他、国や県の交付金等で賄われています。本市はこの交付金等が少なく国保財政は非常に厳しい状況です。保険税は、適正な賦課となるよう毎年度算定しておりますが、医療費が年々増加する中、国保制度を維持し、医療の安心を確保するためには、引き下げは困難な状況であり、国や県へ交付金等の増加を要望しております。
 一般会計からの繰り入れについては、法令に基づき適正に行っております。


(2)本市の国保における資格証明書交付数は、県内自治体の中でも長年に渡ってダントツに多い数となっています。保険証がなければ、医療にかかれません。届け出や弁明書などの書類のやり取りだけで、資格証明書を交付するのではなく、訪問等を実施し必ず面談での納税相談・生活相談を行い、保険税が納付できない事情を把握されたい。その上で、全ての加入者に保険証を発行し、資格証明書世帯をなくされたい。

答)資格証明書については、国民健康保険法第9条の規定に基づき、適正に発行しています。資格証明書等の発行対象者については、災害や病気等の「特別の事情」を照会し、返答がない場合は、改めて「弁明書」の提出を求め、随時、面談の機会を設け、納税相談に応じています。
 平成27年度から施行される生活困窮者自立支援法を行う部署とも連携し、対応してまいります。


(3)保険証が手元にない世帯であっても、緊急時においては保険証を発行し、医療を受ける権利が奪われることのないように対応されたい。こうした制度のあることを、市民に周知されたい。

答)緊急時等においては、資格証明書世帯と面談を行い、事情を把握し適正に対応しております。

(4)高齢者の受診抑制はただちに命に関わります。後期高齢者医療制度における資格証明書や短期保険証の交付実態を明らかにされるとともに、資格証明書や短期保険証は交付されないよう求めます。

答)後期高齢者医療制度における短期被保険証については、滋賀県後期高齢者医療広域連合短期被保険者証の交付に関する事務取扱要綱に基づき、2月1日現在、12人の方に交付しており、資格証明証については、交付実績はありません。
 短期被保険者証の交付については、納付相談や分納納付につながりますので、今後も続けてまいります。


(5)H27年度から介護保険料の見直しが予定されています。現在は月額4900円で、制度発足時の2700円から約1.8倍に上がっています。しかし、受けられるサービスは削減されるいっぽうです。これ以上負担を増やさないよう対応されたい。

答)介護保険料については、公費の負担割合が法定化されており、給付(サービスの利用)の状況により変動することが必然となります。介護者の増加を抑制するため、本市においても介護予防事業を推進しておりますが、それ以上に高齢化が進み介護認定者は年々増加しており、介護給付費の伸びの要因となっています。
 第6期においては第1号被保険者の負担割合が高くなると見込んでおりますが、これは、本市が調整交付金の率が低率であることによる影響が大きいものであります。ついては、全国的な規模での改革が必要となりますので、引き続き要望を継続してまいります。


(6)H29年4月度から要支援1・2(軽度者)のデイサービスとホームヘルプが、介護保険から外され、地域支援事業へ移行されます。同じサービスが継続して受けられるよう対応されたい。介護サービスの利用により、重度化が防止できていると言われています。要支援の介護サービスの充実に努められたい。

答)要支援の方がこれまでと同等の通所介護(デイサービス)や訪問介護(ホームヘルプ)が利用できるように、平成29年4月までに新たな日常生活支援総合事業を整えてまいります。国の基準をもとに現行のサービスに相当するものと、それ以外の多様なサービス(緩和した基準によるサービスやボランティア・住民主体による支援)を想定しており、要支援者の能力に応じた柔軟なサービス利用が可能となり、自立に向けた支援につながると考えております。

(7)施設入所への待機者が依然と多い状況が続いています。H27年度からの第6期介護保険計画で、特養ホーム等の入所施設の整備をされるよう求めます。

答)国の方針としては施設及び病院から在宅での介護への移行が主となっており、本市も同様に考えております。
 しかし、居宅サービスと施設サービスのバランスをとりながら、在宅生活が困難な要介護者が施設サービスを利用できるよう、第6期介護保険事業計画において特別養護老人ホームの整備を予定しています。

(8)特養ホームへの入所が、原則介護度3以上に限定されます。介護度2以下については一定条件での入所が認められており、その判断は施設が行うとなっています。その際市による意見表明が可能になっていることから、市として申請者の立場に立ち、申請者の状態や入所の必要性を施設にしっかり伝えられたい。

答) 特別養護老人ホームの入所基準の改正にともない、滋賀県において入所ガイドラインの見直しが進められておりますので、そのガイドラインに基づき対応してまいります。

(9)一定所得以上の人は、介護保険利用料が2割に引き上げられます。そのことで利用抑制が発生し、重度化となるケースが心配されます。こうした事態を招かないために、必要なサービスが受けられるよう丁寧な対応をされたい。

答)介護保険利用料が2割負担の方についても、高額介護サービス費等により、月額の負担上限を設定することとなっておりますので、丁寧な説明を行い、必要なサービスが受けられるよう対応してまいります。

(10)本市の高齢者へのインフルエンザ予防接種の自己負担2000円は、周辺市(草津市・守山市1000円、野洲市1300円)比較でも高すぎるとの声が強く寄せられています。以前の1000円に軽減されたい。

答)(新)集中改革プランでは、引き続き改革項目を継続していくことを基本としておりますが、財政的なことを鑑みながら負担の軽減について検討してまいります。

(11)特定健診の無料は、受診率の向上・病気の早期発見になり、医療費の抑制にもつながります。隣の野洲市に続いて守山市も今年度から自己負担をなくされました。本市の自己負担は、県内で最高額です。無料化を求めます。

答)国民健康保険被保険者のうち、65歳以上の方については、自己負担額は無料です。
 また、40歳から64歳の方についても、非課税世帯の場合、申請により自己負担金はありません。
 市民の生活習慣病予防のため、また医療費の適正化に向け、「第2期栗東市国民健康保険特定健康診査等実施計画」に基づき、周知啓発や受診勧奨等の取り組みを推進し、受診率向上に努めてまいります


(12)特別支援が必要な子どもや養護学校へ通う児童生徒が増え、養護学校高等部卒業生の受け入れ先が年々深刻な課題となっています。通所施設の充実とともに、障がい者(児)の雇用拡大に努められたい。あわせて増加傾向にある発達障がい者の雇用や就労への支援を充実されたい。

答)養護学校卒業生の進路先については、湖南圏域のサービス調整会議においても重要課題として受け止めており、この協議会内に作業部会を組織し進路先の意向調査や情報の共有を図り就労支援に取り組んでいます。
 また、本市卒業生の進路先決定に向けてのケース会議などに参加し、事業所、働き・暮らし応援センター、ハローワークなどの関係機関に繋ぎ、本人の状況に応じた就労ができるように取り組んでいます。
 働く意欲がありながら、就労を妨げる様々な要因がある就職困難者に対して、就労支援相談員を配置して就労支援にあたっており、次年度も継続して実施いたします。
今後につきましても、学校や就労支援関係機関等との連携を図り、就労支援に取り組みます。


(13)障がい者のグループホーム・ケアホームが不足しています。ショートスティも満員で利用できない状態が続いています。障がい者の自立を支援・促進するうえで、必要な施設です。湖南圏域や栗東市における施設整備を進められたい。

答)住まいの資源であるグループホーム(ケアホームについては、平成26年4月よりグループホームに一元化されています)の整備については、近々の重要課題であると認識しており、湖南地域障害児・者サービス調整会議の重度障害者進路先確保検討プロジェクト会議において、「住まいの場の確保の検討を行うための調査」により実態を把握するなど施設整備への検討に取り組んでいます。併せて、本市においても事業所からの整備相談に関し、出来る限りの支援に取り組んでいます。


3、子育て支援の充実のために

(1)子どもの医療費助成制度が広がっています。いまや中学校卒業まで無料が世間並となり、豊郷町は高校卒業まで無料化されました。就学前の医療費に自己負担がある本市の水準は、極めて低いものです。ただちに就学前医療費を無料化し、中学校卒業まで拡充されたい。

答)就学前児童医療費については、子育てに安心できる施策のひとつとして、人口減少問題への対応やセーフティネットのあり方を参考に検討してまいります。

(2)4月から新制度のもとで就学前保育・教育施設の運営がはじまります。本市の基準は、小規模保育B型は職員の半数が保育士資格を持っていればよいとし、家庭的保育は0〜2歳児と年齢の異なる低年齢児3人を保育士資格のない保育者1名が保育するとなっています。保育士資格がなくても市や県の実施する研修を受ければよいとされており、子どもの安全を軽視した国基準と同じ内容です。市は地域型保育が設置される見込みも少ないと言われましたが、安心安全の保育環境のために資格のない保育者は認めない方針をとられるよう求めます。

答)子ども子育て新制度において、国が定める基準と同様の基準で、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定めております。今後、子どもが健やかに成長するために適切な環境が確保されるよう、また、就学前子どもの立場に立って保育を提供するよう、保育環境の向上に努めてまいります。

(3)保育園の待機児童の存在が慢性化しています。子どもの豊かな育ちを保障するために、これまで以上に正規保育士を増員し、保育園の待機児童を解消されたい。市の職員定数に余裕があり、増員は可能と思われます。
 待機児童の解消を目的としH22年4月から大宝保育園が民営化されました。しかし、待機児童は毎年存在し、解消につながっていません。新制度のもとで、市としてどういう保育を目指すのかあらためて検討し、民営化計画を見直されたい。

答)保育士の増員について、正規職員は、市全体の職員定数等を踏まえる中で、計画的に採用を進めてまいります。また、臨時保育士は、職業安定所を通じた募集に加え、県の保育士人材バンク、ホームページへの掲載、保育士養成課程のある各種教育機関等に対して、募集案内を送付するなど実施しております。引き続き、あらゆる手段を講じる中で、必要な人材の確保に努めてまいります。
 保育園の民営化については、保育園をはじめとする就学前児童を取り巻く環境は、大きくかわりつつあります。このような周辺環境の変化を受け、本市としても民間活力の活用に対して、引き続き取り組んでまいります。このようなことから、現段階での計画の見直しは考えておりません。


(4)学童保育所について
@保育料が近隣市の中でも一番高く、保護者から引き下げが求められています。保育料引き下げと収入に応じた減額免除制度の充実を求めます。

答)現在の学童保育所保育料の設定については、平成23年度の指定管理者更新に際して、関係者などと充分に協議を重ね、今後5年間はこの設定を変更しないこと等を含めて、ご理解・ご承諾いただいたうえで決定しています。

A次年度から新制度による運営となり、これまで社協の自主事業であった4〜6年生の保育も1〜3年生と同様に実施されることになりました。利用者の増加に対応するための保育所の増設・新設などが求められます。安易に児童館を利用するのではなく、学童としての施設整備をされたい。

答)小学校4年生以上の学童保育事業については、今年度においても指定管理者の自主事業とし、実施してまいりました。今後、対象が1年生から6年生となり増加も考えられるため、安全対策を図り、学童保育が必要な利用者を受け入れるよう、児童館も利用しながら、学童保育所を運営してまいります。また、施設の整備については、今後、必要に応じて協議検討していまいります。

(5)児童虐待は日常的に起こりうるとの認識を持ち、常に学校や保健センター、県子ども家庭相談センター、医療機関などの関係機関と連携を強化し、早期発見・早期対応に努められたい。有資格者の雇用など相談員や家庭児童相談室の支援体制の充実に努められたい。

答)平成22年度に栗東市要保護児童対策地域協議会を設置し、家庭児童相談室をその調整機関として位置付け、常に関係機関と連携しながら児童虐待の早期発見と早期対応に取り組んでいおります。
 家庭児童相談室の相談員は、CSP(コモンセンス・ペアレント・トレーニング)資格習得や家族療法等専門的な研修に進んで参加し、要支援者の支援に生かすなど、支援体制の充実に努めております。



4、教育環境の充実のために

(1)いじめ問題対策連絡協議会およびいじめ問題調査委員会が立ち上がりました。いじめは、子ども達の生活の中で起こる問題であり、学校現場での対応が何より重要です。学校と教育委員会の連携や情報交換が適切に行われ、問題発生時にしっかり対応できる体制となるよう取り組まれたい。

答)いじめの問題に限らず、各学校と教育委員会が適宜情報を共有し、早期対応ができるよう態勢を整えています。
 また、条例により設置された機関については、各関係機関との連携や、専門家からの助言をいただきながら、いじめ対策を進めてまいります。


(2)いじめの早期発見・早期対応のためには、教員と生徒が日常的に接点を持っておくことが重要です。しかし、教職員の多忙化が問題視されています。生徒のSOSを見逃さないためにも、教職員の多忙化解消に努められたい。

答)教師と子どもが接する時間を確保することは重要なことであり、引き続き事務作業の軽減のための報告書式の簡易化や増員等を要望してまいります。

(3)少人数学級制は、きめ細やかな指導ができ、不登校の減少や増加傾向にある特別支援教育の必要な児童生徒の指導にも効果があることは実証済みです。教員の多忙化解消にもつながります。小中学校のすべての学年における少人数学級制の早期実現を、国・県に対し強く要請されたい。

答)行き届いた教育を推進するため、今後も、国や県に対して、全ての学年における少人数学級制の実現を要望してまいります。

(4)暑さ対策として、幼稚園・小学校施設へのエアコンを早期に設置されたい。とくに小学校への設置を求める声が一段と高まっています。小学校への設置計画を明らかにされたい。地元業者の発注など、地域経済の活性化を視野に入れて取り組まれたい。

答)今後も引き続き、国の財政的支援の活用を図りながら地域経済の活性化に繋がるよう、検討してまいります。

(5)小中学校・保育園・幼稚園における非構造部材の耐震対策を早期に実現されたい。

答)平成26年度は災害時の避難場所にもなる小中学校の体育館等の非構造部材の耐震化を図るための点検委託業務と設計委託業務を実施しました。
 平成27年度は、これに基づき工事を実施いたします。


(6)就学援助への国庫負担の充実を国に要請されたい。市は、生活保護基準の引き下げの影響が就学援助受給世帯や申請に影響が出ないよう対応されておられますが、これを継続されたい。

答)国庫負担の充実は今後も継続して要望してまいります。
 また、生活保護基準の引き下げの影響が就学援助受給世帯や申請に影響を及ぼさないよう対応を続けてまいります。


(7)通学路の危険箇所の点検は継続的に行い、危険箇所の改善は速やかに対応し常に安全確保に努められたい。

答)通学路の安全確保については、従来から重点的に進めてきました.
 平成27年度も、通学路のカラー舗装等の対策を順次実施し、継続して改善に取り組んでまいります。


(8)中学校給食がないのは、県内で草津・守山・大津・栗東の4市だけとなっています。H30年度に予定されている学校給食センターの新設にあわせて、中学校給食を実施されたい。また、保育園・幼稚園・学校給食の食材に、地元農産物の利用を促進されたい。

答)学校給食共同調理場の建て替えについては、現在、基本計画(案)を建設検討委員会の意見を聞きながら策定しております。今後、この計画(案)や議会等との協議により中学校給食等について決定してまいります。
 保育園・幼稚園・幼児園の給食に資する食材については、自園給食施設を含め栗東産米を100%使用しております。また、野菜類等は必要量の確保等の問題もありますが、引き続き、地元の農産物を使うよう努めてまいります。


(9)一人ひとりの人権や思想・信条・良心の自由を重視した教育が重要です。教職員や児童生徒の内心の自由を尊重し、「日の丸・君が代」の押し付けは行なわないよう努められたい。

答)小学校・中学校学習指導要領に基づき対応してまいります。

(10)県内養護学校の大規模化が問題となっています。本市の子ども達が通う野洲養護学校は2回目の増築で対応されることになり、保護者から安全面での不安の声が寄せられています。下記2点について、県に強く要請されたい。

@増築により学校生活に支障が出ないよう教職員を増員するなどの対応策を講じられたい。
A今後もさらなる生徒増が見込まれています。野洲養護学校だけの問題ではありません。県と県教育委員会に対し、養護学校(特別支援学校)の新設で、大規模化の抜本対策を求める。

答)県立養護学校(県立特別支援学校)については、県教育委員会が設置管理者となっています。本市といたしましても、県に働きかけてまいります。




5、地域経済活性化のために

(1)中小企業の振興のために、地域経済の活性化・市内中小業者の仕事確保や雇用創出に大きな効果が認められる「住宅リフォーム補助制度」の実施を、他市の取り組みも参考にしながら検討されたい。

答)現段階においては「住宅リフォーム補助制度」の実施を考えておりませんが、中小企業者及び小規模企業者の事業の持続的発展と地域の活力創生の観点から、相乗効果が得られ地域内循環に繋がる事業を検討してまいります。

(2)安倍内閣は、TPPの早期妥結、農業委員会の改革、すなわち農業委員会の公選制を廃止して、市町村長の指名制度にすること、農業委員会の建議を廃止する、その上JA全中を廃止し、農業改革を進めるとしています。これでは、日本の農業は衰退してしまいます。地域農業の振興と安心安全な食料提供のために、農業改革の方向転換を国に求められたい。

答)各種農業関係団体等のご意見も踏まえながら、農業政策の大きな転換期のなか、国の動向を十分注視し、県・他市と歩調を合わせて対応してまいります。

(3)4年後に減反政策が廃止されようとしています。これはTPP交渉を前提とする対応で、国の食料自給率の低下につながります。食料自給率向上のために、主要農産物の価格保証と所得補償制度を充実するよう国に求められたい。

答)国においては「食料・農村・農業基本計画」が近々に改正される見通しですが、当面は、米や麦、大豆の生産にかかる価格の補填がされることから、栗東市農業再生協議会等と連携し、現場の農業者が混乱することのないよう対応するとともに、制度の推進に努めてまいります。
 また、野菜については、県事業等の活用や栗東市農産物価格補償協議会による価格補償を実施しております。


(4)深刻化する猪・鹿など獣被害に対し、県主導による広域的な有害獣対策の確立を求めるとともに、市独自の対策を強化されたい。

答)隣接する各市が連携をしながら広域的な捕獲体制、防除対策を検討するため滋賀県西部・南部地域鳥獣被害対策協議会で、被害状況調査や実証検分を行い有害獣対策の確立を進めてまいります。
 また、引き続き防護柵への補助を実施するとともに、各集落における環境点検に力を注ぎ、集落ぐるみで防護柵や防除対策に取り組んでまいります。


(5)植栽した杉・桧・松などが、外国材の輸入によって採算が取れないため、枝打ちや間伐作業がおろそかになっています。林業労働者の雇用や森林経営のための作業道の整備を進められたい。そのための補助金の充実を国に求められたい。
 また、地元材を活用する方策を検討されたい。

答)森林整備加速化・林業再生基金事業の間伐、林内路網整備等の積極的な事業活用を生産森林組合等に指導するとともに、作業道整備に係る補助金の更なる充実を要望してまいります。

(6)消費税率10%への引き上げはやめるよう国に要請されたい。

答)国において十分議論されるべき事項であり、要請をすることは考えておりません。
 

6、安心・安全のまちづくりのために

(1)JR栗東駅のバリアフリー化(西口とホームへのエレベーターの設置)が、H30年度供用開始予定で進められています。一日も早い実現を目指して取り組まれたい。

答)平成30年度供用開始を目標に積極的に取り組んでまいります。

(2)旧RD産廃処分場の2次対策において、高濃度の表層ガスが検出された木くず焼却炉周辺を20〜30m程度深く掘削し、VOC類の原因物を速やかに掘削除去されたい。地下水汚染の拡散や飲み水への汚染を防ぐとともに、将来に禍根を残さないためにも場内に存在する有害違法廃棄物はすべて撤去されたい。

答)滋賀県は、有害物調査で判明した、木くず焼却炉付近の特別管理産業廃棄物相当物等を、一次対策工事において掘削除去しました。さらに掘削後、VOC類の広がりについて、周辺自治会住民立会のもと、現地確認および土壌溶出試験等を実施した結果、他への広がりは認められませんでした。
 また、平成26年度から始まった二次対策工事において「鉛直遮水壁工」が既に着手され、平成27年度からは「底面及び側面遮水工」が予定されており、有害物掘削除去と併せて地下水汚染の拡散防止の対応が図られます。


(3)市のエネルギー政策として、太陽光や水力などを利用した再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組まれたい。

答)栗東市環境基本計画の推進のため、低炭素社会の実現をするための施策に取り組む一環として、再生可能エネルギーの利用を実現化できるよう、市・市民・事業者・滞在者それぞれの立場から取り組める仕組みづくりに努めているところです。
 引き続き低炭素社会の実現に向け、その土壌づくりに取り組んでまいります。


(4)H22年7月からコミセン、文化・体育施設など、公共施設の利用料減免制度が大幅に削減されました。市民活動団体にとっては、多大な負担増となり、活動の存続のために減免の充実を求める声が寄せられています。「生涯学習宣言のまち」として、営利を伴わない市民団体の利用料減免制度を以前のように充実されたい。

答)市民活動団体の使用料減免措置の判断基準は当該団体の営利の有無ではなく、「栗東市公の施設の使用料等の減免の基準に関する規則」を基準として、公共性、公益性が高い使用の場合には、減免措置を講じるとしており、また、市から運営補助金等を直接交付されていない各種団体等については減免対象としておりません。
 営利を伴わない市民活動団体の利用については、公共性、公益性とその他の団体との公平性の観点から、上記規則を基準として一定の受益者負担をいただいております。


(5)同和対策事業に関わる「地域改善対策特別措置法」が失効して13年が経ちます。同和地域における固定資産税の減免や就修学奨励資金給付などの個人施策について、周辺市はH27年度をもってすべて終結されます。ところが、本市だけ廃止の方向性が示されていません。ただちに廃止されたい。
部落解放に特化した同和対策事業や同和教育を続ければ、差別は温存されます。人権問題の一環として一般施策化する中で取り組まれたい。

答)個人施策につきましては、今なお各分野における課題があり、依然として差別事件・事案が生じている状況にあります。行政の責務として同和問題の解決に向けた取り組みをしていくうえからは、一般施策への移行も方針として示していますが、現時点での限定的な施策は必要であると考えております。
 また、同和問題の解決があらゆる人権問題の解決につながるものと認識しており、効果的な事業展開を図っていきたいと考えております。


(6)『財プロ』・『新・集中改革プラン』等で市民への負担増が続いています。H26年4月からの消費税8%への引き上げで、上下水道料金・学校給食費などの公共料金にかかる消費税8%に引き上げられたことは、市民生活へ大きく影響しています。各種公共料金の引き上げは当分の間据え置くよう求めます。

答)水道事業については、経営健全化のため平成25年度に経営計画期間を10年とした料金改定を実施しました。今後も、より一層の事業の効率化・経費縮減を図りながら、安定的な経営に努めてまいります。
 また、公共下水道事業については、平成26年度から企業会計に移行し、損益計算書及び貸借対照表などの財務諸表を作成することで、経営状況、資産状況が明確となり、経営分析や経営診断等がし易く、事業の透明化が図れます。今後は、将来の経営の長期計画を策定していく中で、更なる経費削減等の経営努力を図るとともに、下水道使用料の適正化についても、検証することとしています。
 学校給食費については、消費税の引き上げに伴う原材料費の値上げにより改定を行いました。今後も、給食の質の低下のないように努めてまいります。


(7)防災に関して、いつ起こるかわからない地震・水害等の災害時に機動性を発揮できるよう、防災の拠点となる危機管理室を整備されたい。
 2013年の台風18号の反省と経験を活かし、災害対策本部と災害時に出動する部署との連携がしっかりとれるよう防災体制を整備されたい。

答)防災拠点につきましては、平成26年10月1日から11月30日にかけて外部委員7名を含めた13名の委員による「栗東市防災拠点施設あり方検討委員会」を設置し検討してまいりました。特に、平成25年の台風災害での対応課題の整理から、大規模災害発生時の災害対策本部機能をより有効に発揮する施設レイアウトや必要な機器などを検討いただき、昨年末にその結果を報告いただいたところです。

(8)3年前に閉鎖された旧中央公民館の再開を願う声が多く寄せられています。防災の拠点および市民活動の場として、早期に整備されたい。

答)旧中央公民館の利活用方策については、財政状況を勘案する中で老朽化している現施設の取り壊しを最優先に取り組んでまいります。

(9)水害対策と交通渋滞の緩和の早期解決のために、葉山川の平地化事業が遅れることのないよう県に要請されたい。

答)3河川(金勝川・葉山川・中ノ井川)の整備計画については、滋賀県河川整備5カ年計画が平成26年3月に策定されており、これに基づき計画的に整備されます。
 葉山川については、平成28年度末に現川から新河道へ最初の切り替えが行われ、県道六地蔵草津線の手前までが、平成31年度に完成する予定です。今年度は、上鈎地先から手原二丁目地先までの区間について、測量調査が実施されています。


(10)ルート変更により工期が延びた金勝川平地河川化ですが、水害対策だけでなく交通渋滞緩和対策も兼ね合わせた工事です。早期の事業完了を目指して取り組まれたい。

答)金勝川については、平成32年度に目川池の上流部及び下流部の取り付けを行う計画が示されておりますが、密接に関係する県道六地蔵草津線バイパスの整備を含めた平地化事業の促進について、引き続き要望してまいります。

(11)集中豪雨による中ノ井川沿いの蜂屋地域における水害の解決のため、中ノ井川ショートカット事業の早期完了に取り組まれたい。

答)中ノ井川については、下鈎地先の橋梁工事及び河道掘削工事が進められ、野尻地先では用地境界確定作業を実施し、河川事業用地の取得を進める予定です。
 蜂屋地先については、新幹線から済生会滋賀県病院西側区間の暫定水路整備について、今年度測量調査及び設計を行い、平成27年度に用地取得、平成28年度から工事着手される予定です。
 上流部である大橋地先の事業着手までには相当の年数が必要となることから、早急な浸水対策について、引き続き要望を行ってまいります。











7、平和と民主主義をまもりぬくために

(1)憲法9条は世界の宝であり、世界への日本の公約です。平和憲法の改定や平和をおびやかす集団的自衛権に関する閣議決定は撤回し、閣議決定にもとづく法整備等は行わないよう国に要請されたい。

答)国の安全保障政策・国防政策に関する事項であり、市として、要請を考えておりません。

(2)平和都市宣言の市として、積極的に平和事業に取り組まれたい。H27年5月のNPT再検討会議への職員派遣と公募による市民参加に取り組まれたい。

答)「心をつなぐふるさと栗東」平和都市宣言の趣旨に基づき、引き続き平和都市推進事業に取り組んでまいります。
 NPT再検討会議への職員派遣と公募による市民参加については、考えておりません。


(3)饗庭野における日米合同演習ならびにオスプレイの配備に反対し、饗庭野をアメリカ軍に使わせないよう、国・県に要請されたい。

答)国の安全保障政策・国防政策に関する事項であり、市として、要請を考えておりません。

(4)憲法第25条の精神を市政に生かし、市民の福祉と暮らしの向上を中心にすえた市政運営を推進されたい。

答)現在、財政の健全化を最優先にした改革に取り組んでおりますが、その中にあっても、引き続きセーフティネットを維持するとともに、市民の安全安心を守る「元気都市栗東」の構築に努めてまいります。